南営洞1985上映会のお知らせ(7/6大阪、7/7東京)上映後監督・俳優トークセッションあり!

2013.7.6(土) 大阪上映会
エル・おおさか南館 5Fホール
18:20上映(18:00開場)
参加協力券1000円

2013.7.7(日)東京上映会
なかのZERO小ホール
18:30上映(18:00開場)
参加協力券1000円

※両日とも、上映終了後に監督・出演者とのトークセッションがあります。是非、ご参加ください。

映画「南営洞1985」上映趣意書


 映画「南営洞1985」は、故金槿泰(キム・グンテ)前統合民主党常任顧問の自伝的手記『南営洞(ナミョンドン)』をもとに、韓国映画界の鬼才、鄭智泳(チョン・ジヨン)監督によって製作されました。韓国では20121120日に封切られ、大きな話題を呼びました。
 金槿泰氏(1947-2011)は、ソウル大学在学時より民主化運動にかかわり、19859月に治安当局により逮捕されました。そして、悪名高い治安本部南営洞対共分室に連行され、22日間に渡る過酷な拷問捜査を受けました。その過程で虚偽事実がねつ造され、裁判により7年の実刑を受けて服役し、1988年に釈放されました。この22日間にわたる残酷な拷問を告発した金槿泰氏の陳述が、歌手である李美子さんの‘歌のテープ’の中間に録音され、アメリカの人権団体の手に渡ったことで、「南営洞対共分室」の存在は世界的に知れ渡りました。このため金槿泰氏は、「世界の良心囚」として、1987年にロバート・ケネディ国際人権賞を獄中で受賞しています。
 民主化後の金槿泰氏は、国会議員として活躍し、20047月から200512月まで盧武鉉政権の保健福祉部長官を勤めましたが、2007年に拷問の後遺症により「パーキンソン病」を発病し、20111230日、合併症を起こして死亡しました。
 映画「南営洞1985」は、金槿泰氏の経験をもとに、理由もわからないまま南営洞対共分室に連行された主人公、金鍾太(キム・ジョンテ)が、スパイ活動に対する虚偽の陳述を自白する過程の22日間を描写しています。
 鄭智泳監督は、主人公を金槿泰個人に限定することなく、「拷問は誰にでも起こり得る不幸だ」という点を想起させるために、「金鍾太」という名前を付けました。職業としての「拷問技術者」もまた、時代が造り出した怪物という意味で、実名の代わりに「李斗漢」という仮名で登場します。南営洞での出来事をすべて記憶している金鍾太が、20年後、刑務所で李斗漢と再会する場面は、観る者に苦痛を与えながらも粛然とさせる力を持っています。ひざまずいて許しを請う李斗漢を見つめる金鍾太は、20年間一日も忘れることなく自らに投げかけた質問を思い浮かべて自問します。

「果たして、あの者を許すことができるのか?」

 日本人、そして在日韓国・朝鮮人の皆さんにこの映画を見ていただくことで、19701980年代の独裁政権下における韓国社会の現実を理解していただき、さらには「在日韓国人スパイ事件」の真実を知っていただきたいと思い、「南営洞1985」の上映会を実施いたします。上映会当日には、韓国から鄭智泳監督と金鍾太役を演じたベテラン俳優のパク・ウォンサン氏も来日し、トークセッションが行われます。
 なにとぞ多くの方のご賛同・ご協力をえまして、映画「南営洞1985」の東京上映会が成功しますようよろしくお願いいたします。

 「南営洞1985」上映実行委員会 金整司(キム・ジョンサ)
 問い合わせ:kjs0818gmail.com(★のところに@を入れてください)

韓国公式サイト http://namyeongdong1985.co.kr/

YOU TUBE 予告編 

 

<「南営洞1985」解説>

1985
年、南営洞治安本部対共分室515号・・・
そこで何が起きたのか、誰も知らない。

 全国民の呼吸ですら検閲する軍部独裁が猛威を振るっていた198594日。民主化運動家だった金鍾太は、家族と銭湯に行った帰りに警察に連行される。以前からよく警察に呼び出されていたため、大したことはないと考えていた彼は、正体不明の男たちの手によってどこかに連れて行かれる。
 目隠しのまま到着した場所は、「南営洞対共分室」。警察公安捜査当局が、「アカ」を追い出すという名目で、いわゆる「工事」をしていた拷問室だった。その日から金鍾太は、あらゆる拷問により暗く狭いセメントの床の上でのたうち回りながら、偽りの陳述書を強要される。
 何ら良心の呵責もなく残酷な拷問を生業とする捜査官らに屈せず、陳述を拒否する金鍾太。しかし、「葬儀屋」と呼ばれる拷問技術者の李斗漢が登場し、彼の人生を根こそぎひっくり返す残酷な22日が始まる。
 大韓民国の現代史から消えた22日。消されてはならない記録が今ここに繰り広げられる。

制作年:2012
上映時間:106
監督・脚本:鄭智泳(「折れた矢」、「ホワイト・バッジ」、「粉々に砕け散った名前よ」他)
出演者:パク・ウォンサン(金鍾太役)、イ・ギョンヨン(李斗漢役)